首相、疑念解消進展なく 衆院予算委、閉会中審査 

安倍晋三首相は二十四日の衆院予算委員会の閉会中審査で、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を「白紙に戻すことは考えていない」と断言した。新設計画を知った時期を問われると、「今年一月に把握した」と答弁。野党は、首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議が昨秋以降、複数回開かれたことから「にわかに信じられない」と指摘し、事実関係を確認するため学園の加計孝太郎理事長の国会招致を求めたが、首相は国会の判断に委ねると述べるにとどめた。

 一方、松野博一文部科学相は、国家戦略特区諮問会議が獣医学部の新設を認める前日の昨年十一月八日、同省が学園の構想に懸念を示し、新設が認められるよう助言していたことを示す文書の存在を認めた。野党側は「紛れもない『加計ありき』の文書だ」と批判した。

 加計学園の新設計画を巡っては、加計氏と首相は三十年来の友人で、首相や側近が便宜を図ったとの疑惑が持たれている。この日の審査では、首相と加計氏は第二次内閣発足後も判明分だけで十五回、食事やゴルフを共にしていると野党が指摘した。首相は加計氏から働き掛けや依頼はなかったと説明し、自身も便宜を図ったことはないと強調した。

 首相は加計氏について「政治家になる前からの友人」と説明。食事などをしても「『今治』という話は一切なかった」「(獣医学部新設について)具体的に話したことは一回もない。依頼されたこともない」と説明。政府が獣医学部新設を認める事業者を加計学園に決定した一月二十日になり、加計学園の計画を「初めて知った」と述べた。

 民進党玉木雄一郎氏は把握時期が遅すぎるとして追及。「答弁が偽りなら、責任を取って辞任するか」と迫った。首相は「首相として責任を持って答弁している」と述べるにとどめた。

 首相は国民の信頼を取り戻すためにも、計画を一度、白紙に戻すべきではと問われると「白紙にすることは考えていない。国民の疑念を晴らすため、何ができるかは真剣に考えたい」と語った。具体的にどのような対応をするかには言及しなかった。

 この日の予算委員会に出席する予定だった日本獣医師会幹部は「都合がつかない」と欠席した。二十五日には参院予算委でも閉会中審査が行われる。